なにがあてはまればHSPといえるの?
上記の疑問を解決します。
HSPとは、心理学者であるエレイン・N・アローン博士が提唱した気質のことをいいます。
その中でも、人一倍敏感な人には、代表的な「4つの面」があるとアローン博士はいいました。
それが「DOES」という、HSPに代表される4つの特徴のことです。
今回は、HSPに共通する4つの特徴「DOES」について、詳しく解説します。
この記事でわかること
- HSPの4つの特徴「D.O.E.S」について理解できる
- 「D.O.E.S」によって起こる4つの問題
- 「D.O.E.S」によって生きずらいときの3つの対処法
この記事を読めば、HSPの4つの特徴がわかるだけでなく「どう向き合っていくか」まで理解することができます。
興味がある人はぜひ読み進めてみてくださいね。
この記事を書いた人
(@kazkaz_yasen)
- 夫婦でHSP(ミニマム生活実践中)
- HSP本を10冊読破
- 繊細すぎて転職5回経験
- 仕事をシフトダウンするために副業や投資に奮闘中!
HSPの4つの特徴「D.O.E.S」とは?
エレイン・N・アーロン博士は人一倍敏感な人には、代表的な「4つの面」があると提唱しました。
それが、以下の4つの特徴です。
HSPの4つの特徴
- 「D」深く処理する
- 「O」過剰に刺激に反応する
- 「E」感情に反応しやすく、共感力が高い
- 「S」5感が敏感で小さな刺激も察知する
「DOES」とは、各特徴の頭文字をとってなずけられた愛称です。
HSPの人には共通して、この4つの特徴がみられていると、アーロン博士は提唱しました。
この4つの特徴がすべて当てはまる人は、HSPであるといえるでしょう。
自分がHSPであるかを、さらに詳しく知りたい人は「HSPとは?診断テストや特徴をわかりやすく解説!」を参考にしてください。
それでは、各特徴を詳しく解説します。
「D」深く処理する
「DOES」のDは「Depth of processing」の略で、深く処理する特徴のことをいいます。
深く処理するとは、1つのものごとに対して、何通りもの思考を巡らせることです。
HSPさんがものごとを深く処理するのは、自分の感情に敏感なのも理由の1つです。自分の感情に反応することで、内面と向き合いやすくなるのです。
何気なく言われた言葉に対しても、流すことができず、何度も自分の内面で思考を繰り返します。
たとえば、、上司から「仕事が遅い」と指摘されたら、、
- どの部分を見て仕事が遅いといわれたのだろう…
- 仕事が遅いのは自分の効率が悪いからなのか?
- 誰と比較して遅いといっているのだろう
- 遅くなってる原因はなんだ?
このように、人に思いを打ち明けるより、自分自身と会話します。
ただ、深く思考するということは、悪いことばかりではありません。
他の人が見過ごしてしまうような「小さなミス」「予想外なアイデア」など、深い思考力に裏打ちされた、強みも存在します。
仕事が遅いと悩むHSPさんには「仕事が遅いと悩んでいるHSPの人へ|5つの対処法を解説!」で対処法を解説しています。
「O」過剰に刺激に反応する
「DOES」のOは「Overstimulation」の略で、刺激に対して過剰に反応する特徴のことです。
「刺激」とは、物理的な刺激から感情にいたるまで、さまざまな刺激に対して敏感に反応します。
HSPさんが反応する刺激は、以下のものがあります。
HSPさんが反応する刺激
- 音
- におい
- 味覚
- 人の感情
- 自分の感情
- 物理的な痛み
- 服の素材などの感触
HSPさんは、普通の人が刺激だと感じないものまで、体や脳が反応してしまうのです。
刺激に敏感なことで「自分が神経質だからだ」「潔癖症なんだ」とこだわりや癖だと勘違いしている人もいます。HSPの場合は生まれ持った気質なので、こだわりや癖とは違います。
刺激に敏感なことで、強い刺激を避ける行動をとる人が多くなります。
ちなみにぼくも内向型のHSPです。
- ライブ会場が苦手
- 辛い物が苦手
- 1人でいる時間がないと疲れる
- サプライズが苦手
こういった環境を避けたり、苦手としているのも、刺激に敏感に反応する特徴が大きく影響しているのです。
「E」感情に反応しやすく、共感力が高い
「DOES」のEは「Empathy and emotional responsiveness」の略で、感情に反応しやすく、共感力の高さがある特徴をいいます。
HSPさんは、他人の感情から自分の感情にまで、反応しやすい特徴があります。
- 人の相談にのっていたら自分のことのように涙を流す
- 友人やその場にいる人のストレスにもよく気づく
- 人の考えや心を読みやすい
- 格闘技などをみると思わず目を覆ってしまう
- ドラマや映画をフィクションだと割り切れない
このように、感情に対して敏感なことで、高い共感力に繋がっているのです。
HSPさんが共感力が高くなる理由として、自分と他人の間の境界線が薄いのも影響しています。境界線が薄いことで人に流されやすかったり、他人と自分の考えを切り離させないことが起きます。
感情に反応しやすいことで、人と比べすぎてしまったり、過剰に罪悪感を感じる原因にもなっています。
しかし、共感力の高さはHSPさんの「思いやり」「優しさ」にも繋がっています
「S」5感が鋭く小さな刺激も察知する
「DOES」のSは「Sensitivity to subtleties」の略で、5感が鋭く小さな刺激も察知する特徴があります。
「視覚」「嗅覚」「味覚」「聴覚」「触覚」が鋭いことで、さまざな変化に敏感に反応するのです。
HSPさんはちょっとした変化にも敏感
- ○○さんのメイクがいつもと違う
- 妻の料理の味付けがいつもと少し違う
- 職場の空調音がいつもより大きいな…
このように、5感が敏感なことで、細かな情報が脳に流れ込んできます。
ココがポイント
「D.O.E.S」によって生じやすい4つの問題
「DOES」のもつ4つの特徴は、強みにもなりますが、社会で生活するうえで支障が出ることもあります。
感情に敏感に反応したり、5感が敏感なことで、以下のようなことで悩みやすくなります。
- 罪悪感を感じやすい
- 怒りをうまく放出できない
- 自分自身に高い要求をしてしまう
- 不安を感じやすくネガティブになりやすい
1つずつ詳しく解説します。
1.罪悪感を感じやすい
HSPさんは「DOES」の特徴によって、罪悪感を感じやすいです。
HSPさんは、感情に敏感なことで、他人の感情にも影響を受けやすくなります。
人の気持ちが、強く自分の中に入ってくることで、過剰な罪悪感につながるのです。
- 上司の機嫌が悪いのは昨日の自分のミスのせいかな…
- ミーティングが進まなかったのは自分があまり発言できなかったからだ…
このように、自分の影響力が薄いことに対しても罪悪感を感じてしまいます。
HSPさんは「羞恥心」も感じやすい
HSPさんは感情に敏感なことで、羞恥心も感じやすいです。
罪悪感は、元になる原因があることが多く、対策もたてやすいです。しかし「羞恥心」は自分でもよく分からず突然、湧き上がってきます。
- 突然、人の目線が気になり「変な人」と思われていると感じる
- 人前に立っていると理由もなく赤面する
- 話してる途中で「何かが間違ってるんじゃない」という憶測で恥ずかしくなってくる
人の感情や目線などの情報を、多く察知してしまうことで、羞恥心を感じやすくなります。
原因がない「恥ずかしさ」だけに、対策が難しく悩んでいるHSPさんも多いのではないでしょうか。
2.怒りをうまく放出できない
「DOES」の特徴である共感力の高さや、感情に敏感なことで「怒り」をうまく放出できないことが起こります。
そもそもHSPさんは「言い争い」や「喧嘩」を好みません。
「喧嘩」を嫌いになる背景は、HSPさんの「深く考える」特徴が関係しています。喧嘩とは突発的に相手を言い負かす人がどうしても強くなりがちです。しかし、HSPさんはゆっくり考えてから発言するので言い負けてしまうのです。
このように、過去に「喧嘩」や「言い争い」で負けた経験が多いことから「怒り」を避けるようになります。
- 本当は嫌なことでも感情を押し殺す
- ストレスを溜めがちになる
- 自分の本音をいえない
- 周りから「いい人」と思われる
「怒り」をうまく放出できないことで、不満を相手にいえずに我慢することが増えます。
「嫌なこと」を我慢してしまうと人間関係のストレスは大きくなるのです。
「DOES」の特徴によって、怒りの感情を放出できないのも、社会で生きづらい原因でしょう。
3.自分自身に高い要求をしてしまう
HSPさんは自分に厳しいルールを作っている人が多くいます。
自分に厳しくしてしまう理由は、自尊心の低さが影響しています。
ココがポイント
自尊心が低いからこそ「優秀」でいようとする気持ちが強くなり、自分に完璧を求めてしまうのです。
HSPさんが決めがちなルール
- 人に親切でなければいけない
- 責任感を持たないとダメ
- 常に謙虚でいないと…
- 人を嫌いになってはダメ
これらのルールは、意識的に作っているわけではありません。
4.不安を感じやすくネガティブになりやすい
HSPさんは、想像力が豊かなことで、過去や未来のことも深く考えます。
しかし、過去や未来のことは、考えれば考えるほどに不安が強くなります。
ココがポイント
HSPさんの未来や過去を想像する力は「計画性の高さ」や「危機管理能力の高さ」にもつながっています。
しかし、未来を考えすぎてしまうと、不安がどんどん強くなって、ネガティブ思考になってしまうのです。
HSPさんの未来を見通す想像力の豊かさは、強みにもなりますが、ネガティブになりやすい側面もあるのです。
HSPが「D.O.E.S」によって生きづらいときの3つの対処法
HSPさんは「DOES」の特徴によって、ネガティブになりやすかったり、他人に流されやすいなどの問題がおきます。
ただ、4つの特徴を理解して、対策をすればデメリットはあまり感じなくなります。
- 自分の意思を伝える工夫をする
- 人に好かれようとするのを辞める
- 敏感な人の失敗の経験談を聞く
1つずつ、詳しく解説します。
1.自分の意思を伝える工夫をする
HSPさんは「怒り」などの感情で意思を伝えるのが苦手です。
そのため、嫌なことも相手に伝わりずらく、我慢してしまう結果になることが多いです。
ただ、嫌なことは我慢し続けるとストレスの原因になってしまいます。
ココがポイント
HSPさんは「怒り」の感情で意思を伝えるのではなく「嫌なこと」の因果関係をはっきりと伝えることが大切です。
ただただ感情に任せて「辞めてほしい!」「嫌だ!」というのではなく、「これがこうだから辞めてほしい」と、相手に理由や原因を冷静に伝えるのです。
例えば…ぼくの場合先日、親が勝手に結婚の披露宴の話を進めていたことがありました。
ぼくたち夫婦はフォトウェディングで済ませていたので、なぜまた披露宴をやろうとしているか、疑問でした。
この場合、すぐに親に電話をして「なんで勝手に親戚に話したの?」「俺らの意思は無視?」などと感情で伝えることもできたでしょう。
しかし、この伝え方だと、話している途中で「怒り」が爆発して、支離滅裂なことをいう可能性がありました。
なので、親にはすぐに意思を伝えず、「なぜ親が勝手に披露宴の話を進めたのか?」「親とぼくたち夫婦で、お互い納得のいく落としどころはないか」を明確にしてから、思いを伝えました。
上記は自分の体験談ですが、普通の夫婦であればすぐに親に電話して「感情」ですぐに意思を伝える方が圧倒的に早いでしょう。
ただ、HSP夫婦のぼくたちは「怒り」をうまく放出できません。なので、どうしたら「披露宴をやりたくない」意思を明確に伝えられるか考えました。
方法としては「相手側の意思」「自分側の意思」を書きだし、双方にとってメリットのある落としどころを明確にして話すことで、伝えることができました。
- 親としては叔父からのご祝儀を渡す場を作りたい
- 自分たちは「お金がかかるから披露宴はやりたくない」
- 要するに「ご祝儀」を受け取る場があればいい
- フォーマルな形の食事会でいいのでは?(ご祝儀も渡せて、披露宴もやらなくていい)
このように、双方の「ご祝儀を渡す場を作りたい」「披露宴でお金をかけたくない」願いがかなうことになり、意思を伝えやすくなりました。
これは、ぼくたち夫婦の伝え方ではありますが、お互いにとってのメリットを提示することで、伝えやすくなります。
HSPさんは「怒り」などの感情で意思を伝えるのではなく、伝える内容を考えたうえで、因果関係をはっきりして話すのが大切です。
2.人に好かれようとするのを辞める
HSPさんは、自尊心が低いことで人から嫌われることを恐れます。
人から好かれたい行動をとることで、自分にどんどん厳しくしてしまうのです。
そのため、自分ルールを緩くするためにも、人に好かれようとする行動を減らすことが大切です。
人に好かれるための「努力」をやめてみる感じですね。
HSPさんが辞めるべき努力
- 頼まれごとを100%でやらないといけない
- 人の誘いは正当な理由がないと断っていけない
- 人といるときに盛り上げないといけない
- 結婚式や集まりごとに最後までいないといけない
こういった努力は「人から好かれる」ための努力であって、自分の心を苦しくしてしまいます。
上記の「努力」に当てはまるなと感じた人は、一度頑張るのをやめてみましょう。
「他人のために頑張る」をやめるためには?
「他人のために頑張る」をやめろといわれても、やめられるならとっくにやってますよね…
「頑張るのをやめる」のは、意思に頼ってもやめられないので、仕組みをつくるのがおすすめの方法です。
「頑張りすぎない」ための行動リスト
- TODOリストをつくる
- 何もない「休日」を予定として組み込む
- 断るときは理由を言わずキッパリ断る
- スマホの電源をきるまたは通知をオフにする
ぼくは、他人に流されないために、上記のことを実行しています。
1日の始めにTODOリストで行動を可視化して、カッチリ予定を組み込んでしまいましょう。
そして、誘いを断る基準を明確にしておくだけで、他人に流されず自分の時間を確保できるようになります。
HSPさんは、自分に厳しくなりすぎないためにも「他人のために頑張らない」仕組みをつくるのがおすすめです。
3.敏感な人と失敗の経験を共有する
HSPさんは、同じ敏感な人とつながり、失敗談や経験談をオープンにするのがおすすめです。
「DOES」の特徴がもつデメリットとして、失敗したり、恥をかくことで「羞恥心」や「罪悪感」を強く感じます。
強い罪悪感や羞恥心を感じてしまうのは、周りに同じ境遇の仲間がいなく「自分だけが失敗した」と思うからです。
現在はSNSなどで、同じHSPの人と、容易につながることができます。
HSPさんとつながるおすすめツール
- ブログ
- オンラインサロン
ブログやTwitterで経験談を聞くだけでなく、自分の失敗談も勇気を出して発信してみるのがおすすめです。
自分から失敗を話すことで、同じ悩みをもつ人が自然と集まってきます。
同じ失敗をしている人とたくさんつながることで、自然と「失敗してもいいんだ」と、気持ちもオープンになってきます。
まとめ:HSPの4つの特徴「D.O.O.S」を理解して、理想の生活を手に入れよう!
今回は、HSPの代表的な4つの特徴である「DOES」について解説しました。
「DOES」の代表的な特徴をもう一度おさらいします。
HSPの代表的4つの特徴
- 「D」深く処理する
- 「O」過剰に刺激に反応する
- 「E」感情に反応しやすく、共感力が高い
- 「S」5感が敏感でささいな刺激が気になる
上記の4つの特徴があることで、社会生活で支障がおきやすいのは事実です。
だからといって「DOES」の特徴が完全にデメリットかというと、決してそうではありません。
「DOES」の特徴を受け入れ、しっかりと対策をたてれば、問題なく生きていけます。
- 自分の意思を伝える工夫をする
- 人に好かれようとするのをやめる
- 敏感な人と失敗の経験談を共有する
今回は「DOES」のことに絞って解説しましたが、HSP全体の知識を学ぶことも大切です。
HSPの基礎知識を学びたい場合は「HSPとは?診断テストや特徴をわかりやすく解説!」をご覧ください。